高齢者は不同程度の入眠困難、夜間の頻繁な覚醒、翌朝の早朝覚醒などの不眠症状を示すことが多く、この処置に関して理論的には長時間作用型のフェニトインが適している。しかし、臨床経験では、高齢者の不眠に対してフェニトインを含むバルビタレート系薬剤の使用を避けるべきである。その理由は以下の通り: 第一、一部の高齢者はバルビタレート系薬剤に対する耐容性が低く、重度の眠気や精神の萎靡を引き起こすことがある。 第二、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、喘息など)を有する高齢者は、しばしば重い肺機能不全を伴っている。バルビタレート系薬剤は少量でも、重度の低酸素血症および二酸化炭素の貯留を引き起こす可能性があり、重症の場合には肺水腫や呼吸麻痺を引き起こすため、禁忌となる。 第三、高齢者は不同程度の腎機能低下を示す。フェニトインは腎臓から原型で排泄されるため、薬物の排泄が遅れ、血中半減期が延長し、バルビタレート系薬剤の使用により意識障害や運動失調などの中毒症状を引き起こしやすい。 第四、少数の高齢者がこの薬剤を使用した後に異常反応を示すことがある。抑制ではなく興奮を呈し、イライラ、不眠、悪夢、甚だしくは精神錯乱を引き起こすことがある。 以上の理由から、高齢者の不眠にはバルビタレート系薬剤の使用を慎重に行うか、使用を避けるべきである。実際、不眠の原因は多様であり、根本的な治療法は、不眠の原因を解消することである。比較的、ジアゼパム、ノルジアゼパムなどの薬剤は高齢者の不眠に対してより安全かつ効果的であり、バルビタレート系薬剤の代替として使用できる。 <失眠>
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