神経衰弱とは、患者の精神活動が長期にわたり過度に緊張状態にあり、大脳の興奮と抑制機能のバランスが崩れることにより生じる神経官能症の一型である。この病気の症状は大きく二つに分けられる:第一に興奮優位の症状として、頭痛、めまい、耳鳴り、情緒不安、易怒性、心悸、息切れ、多汗、不眠、悪夢、驚醒などがある。第二に抑制優位の症状として、記憶力低下、注意力散漫、思考遲鈍、精神萎靡、疲労感、性機能低下などが挙げられる。これら二つの症状はしばしば併存しており、初期は興奮優位が顕著だが、後期には抑制優位が主となる。 神経衰弱に対しては自己マッサージ療法が有効である。この療法の基本原理は、マッサージによって神経中枢の機能を反射的に影響させ、神経中枢の興奮と抑制のバランスを回復させ、めまい、不眠、悪夢などの不快感を改善することにある。またマッサージは筋肉を緩め血行を促進し、関節を滑らかにする効果があり、四肢の痛みを軽減または消失させ、神経衰弱の原因となる要因を排除できる。頭部、後頸部、足底、指根部などには鎮静・安眠作用のある多くの経穴がある。これらの経穴を刺激することで鎮静・催眠効果が得られる。具体的な方法は以下の通りである: 頭部マッサージ:就寝前の30分前に両手の掌を擦熱し、その掌を顔面に貼り付け、中指を迎香穴から始め、上に発際まで押し上げ、睛明、攢竹などの経穴を経由して、両手を左右に分けて額角まで下り、食指が「耳門」に戻るまで繰り返し30~40回行う。 胸部マッサージ:盤坐位をとり、右手を右肋部に平らに置き、左上方へ30回こすり上げる。その後左手を同様に左肋部に置き、右肩部まで30回こすり上げる。 腹部マッサージ:盤坐位をとり、片手の掌をもう片手の掌の上に重ね、腹部に置き、へそを中心に時計回りに30回、次に反時計回りに30回揉む。 腰部マッサージ:盤坐位をとり、両手を腰に当て(人差し指を後ろに)、脊柱の側面を上から臀部まで30回撫でる。圧痛点が見つかった場合は、指で20~30秒間局部を押さえる。 膝部マッサージ:座位をとり、両手を両膝の蓋骨に置き、外側から内側へ30回揉む。その後内側から外側へ30回揉む。揉む際は手を皮膚から離さず、軽く力を入れて膝部が快適になる程度とする。 足底マッサージ:座位をとり、左手で左足首を握り、右手で左足底(足の前半部)を30回往復こする。その後右手で右足首を握り、左手で右足底を30回こする。
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