中医が重視する「証」とは何か 薬膳は食者の体質や身体状態に応じて作成されるべきであり、これは非常に重要な原則である。古代に厳密にこのルールを実行するには、先ほど述べたように、その人の身心状態を検査し、中医の証を確定する必要があった。 証とは、人の体質、身体状態、精神状態、体力、症状、そして病気の原因となる誘因を総合的に分析し、本質を一つの簡単な言葉で表現したものである。一般的には陰証、陽証、虚証、実証、寒証、熱証などがある。 陰証とは、人の新陳代謝が低下した状態を指す。重度の場合、血圧や体温が病的に低下し、顔色が蒼白になり、体が寒さを恐れ、軽度の下痢を引き起こす。 陽証は陰証と正反対の状態であり、新陳代謝機能が亢進し、血圧・体温が上昇し、顔色が赤くなり、汗をかきやすく、便秘などが見られる。 体力の強弱や冷暖感を考慮する 虚証とは、痩せ型で消化機能が低下し、体力が乏しいタイプを指す。実証はこれと逆である。寒証とは、寒さを恐れ、手足が冷えやすく、顔色が蒼白なタイプであり、熱証はこれと正反対である。 一般に、陰証は多くの場合、寒証・虚証と併存するが、陽証の中にも虚証の状態が見られることがある。 しばしば、寒証と虚証を合わせて「陰症」と呼び、実熱と熱証を合わせて「陽症」と呼ぶことがある。 虚则補之(虚しければ補う) 中药を使用する際によくある状況は、「ある証に対して特定の中药を使用する」ことである。このため、その人の証が分かれば、最も適切な中药を選べる。 この場合、陰証系列の証型には、「不足を補う」機能を持つ中药を、陽証系列の証型には、「余りを泻く」機能を持つ中药を使用するのが、用药の基本原則である。 この原則は薬膳の制作にも適用される。食用者が慢性で明らかな陰証である場合、新陳代謝を高める「不足を補う」作用を持つ中药や食材を使用すべきである。例えば黄芪、当帰、人参などの中药や、人参、ニラ、肉類などの陽を温める食品である。 また、慢性で明らかな陽証である場合は、「余りを泻く」作用を持ち、亢進した新陳代謝を正常に戻す中药、例えば黄連、枳実、山栀などを選び、清火作用のある食品、例えばキュウリ、ナス、生魚片などを使用すべきである。
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