秋季の補益も非常に重要である。第一に、暑い夏期に人々の体力と精力は大きく消耗し、体が相対的に虚弱になる。第二に、秋は気候が乾燥しており、人体の陰津を傷つける。そのため、秋には補益に注意すべきであり、基本原則は潤いを重視し、耗散を避けることである。よって「秋冬養陰」が基本となる。使用される代表的な補薬は以下の通り: 西洋参:別名花旗参。主にアメリカとカナダ産。我国に移種されたものは種参、または種洋参と呼ばれる。薬用部分は根。貴重な薬材である。中医では西洋参は甘味、微苦、涼性で、心、肺、腎経に帰する。効能は気を補い、陰を養い、火を清め、津液を生じさせる。清補の妙品とされ、清代以降の医書に多く記載されている。『本草從新』には「肺を補い、火を降ろし、津液を上昇させ、煩倦を除き、虚而火のある者に適する」とある。『本草從新』には西洋参「精を固め、神を安らかにする」とも記されている。現代薬学専門書『中药大辞典』では「肺陰を補い、肺火を清める」と述べている。 上記から、西洋参の主な効能は二つある。第一に、気陰虚による乏気、口渇、乏力などの症状、または肺陰虚による咽干、声嘶、乾咳などの症状に用いることができる。これは西洋参が気を補い、陰を養うためである。第二に、陰虚発熱による午後の潮熱、長期にわたる熱、久咳、喀血、痰少などの症状に用いることができる。また、高熱病で気陰が損傷した場合の気短、乏力、口渇、脈が弱いなどの症状にも用いることができる。これは西洋参が陰を養い、熱を清めるためである。なお、西洋参は涼性で補益効果があるため、人参の温性に耐えられない人が人参の代わりに用いることができる。特に秋には西洋参を服用するのが最適である。 沙参:南沙参と北沙参に分けられる。両者とも肺胃の清養効果は同じ。ただし、北沙参は甘苦淡涼で、滋陰力が強い。南沙参は甘微苦涼で、北沙参と同様の効果だが、力はやや劣る。 沙参は清養保健の品であり、よく補益に用いられる。『神農本草経』には「中を補い、気を益する」とある。『名医別録』には「五臓を安らかにし、長期服用は人に利く……筋肉を長らせる」とある。『中药大辞典』は沙参の保健効果を「養陰清肺」とまとめている。そのため、肺胃陰虚に用いられる。使用時は通常、薬湯として煎じて服用する。1回10~15グラム。 芡実:別名雞頭米。睡蓮科植物芡の成熟種子。長方形で、豇豆ほどの大きさ。白く澄んでおり、煮やす。味は甘、涩、性は平。効能は脾を健やかにし、胃を養い、腎を益し、精を固める。中医養生学では、芡実は抗衰延年、特に脾胃に有益とされる。『神農本草経』には「中を補い、……精気を益し、志を強め、耳目を明かし、長期服用は軽身で飢えを感じず、老いに耐える」とある。現代研究では、芡実には大量の糖、タンパク質、脂質、各種ビタミン、微量元素が含まれており、人体の健康維持に重要な役割を果たす。芡実が本当に健康補助薬であることが証明された。宋代の大文豪蘇東坡は老年期になっても体躯が丈夫で、顔色が赤く、才思敏捷であった。彼自身の書物によれば、数十年にわたり毎日煮た芡実を食用していたため、腰腿が強くなり、歩行に力が湧いた。秋に芡実を摂取することの意義は、炎夏に消耗した脾胃機能を調整し、脾胃が充実した後、より多くの補品や消化困難な補薬を摂取しても体が適応できるようになるためである。これにより、体に有益で害はない。 玉竹:味は甘、性は平。効能は陰を養い、肺を潤し、胃を益し、津液を生じさせる。陰を養い、津液を生じさせる優れた品である。単独で用いても効果がある。『外台秘要』では玉竹150グラムを煮汁として飲ませ、陰虚発熱による口渇、小便短渋に用いた。 天冬:味は甘、苦、性は寒。効能は肺を清め、火を降ろし、陰を滋し、燥を潤す。『神農本草経』には「長期服用は軽身し、気を益し、寿命を延ばす」とある。『日華子本草』には「五臓を潤し、肌を豊かにし、顔色を美しくし、五勞七傷を補う」とある。これにより、天冬は肌を潤し、顔色を美しくし、健康を増進し、寿命を延ばす効果もある。天冬は単独で用いても効果がある。『飲膳正要』には天門冬膏があり、新鮮な天冬を搾汁して膏にし、1湯匙を朝夕空腹時に温酒で服用する。長期服用は気を益し、寿命を延ばす効果がある。現代研究では、天冬の根には天冬素(天冬アミド)、粘液質、β-グチアノール、5-メトキシメチルフルフラール、苦味成分はステロイド皂苷である。薬理作用としては抗菌および抗腫瘍作用がある。 上記の薬材の他にも、秋に補剤として服用可能な中成薬がいくつかある。以下に挙げる: 黄精糖漿:主成分は黄精、薏米仁、南沙参。効能は脾を益し、肺を補い、津液を生じ、腎を強め、胃を健やかにする。肺虚咳嗽、脾腎虚弱による頻繁な腰膝酸軟、四肢の無力などに対して効果的。1日3回、1回20ミリリットル。 複方蜂乳:主成分は太子参、党参、制首烏、枸杞子、麦冬、当帰など。優れた滋補栄養剤。効能は気血を補い、陰を潤し、肺を補い、肝腎を強め、胃を健やかにし、津液を生じさせる。気弱血衰、肺痿喘咳、津液不足、肺腎虚損、体弱、食欲不振、神経衰弱、伝染性肝炎、風湿性関節炎などに適する。朝空腹時に5ミリリットルを服用。1ミリリットルあたり鮮蜂皇漿40ミリグラム含有。温水で送る。 雪蛤参精:雪蛤30%、人参50%、人参糖漿20%。吉林長白山産の特産人参の精华を抽出し、冬眠夏栖の珍品田蛙油と組み合わせ、現代科学的手法で精製した高級滋補口服液。効能は肺を養い、虚を補い、血を養い、顔色を美しくし、筋肉を増やし、発育を促進する。神経衰弱、病時虚弱、肺虚咳嗽、身体衰弱、気血不調などに適する。起床後、就寝前に各1本(1アンプル10ミリリットル)服用。 複方胎盤片:主成分は胎盤粉16両、党参、黄芪各200グラム、陳皮、麦芽各50グラム。効能は気血を補い、血虚眩暈、疲労無力などに適する。1日3回、1回4片、温水で送る。 人参健脾丸:主成分は党参、白朮、陳皮、麦芽各100グラム、枳実、六曲各150グラム、山楂1.5両。効能は脾を健やかにし、食を消化させる。脾胃虚弱による消化不良、脘悶飽脹、食欲不振などに適する。1日2回、1回15グラム、温水で送る。 生脈飲:主成分は人参、麦冬、五味子。効能は気を補い、津液を生じさせる。気虚津傷による体倦汗多、短気、心悸、口渇、気虚性喘咳などに適する。口服アンプル剤。1本10ミリリットル、1日3回。 玉霊膏:竜眼肉30グラム、西洋参、白糖各3グラムを磁碗に放ち蒸膏にする。効能は气血を大補し、参芪を凌駕する。心脾両虚、气血不足、体質虚弱者に適する。温水で1匙送る。 上記の各種中成薬は秋に選んで服用できる。燥熱の邪を体から排除し、口渇舌燥などの津傷がなくても少量服用可能である。ただし、滋陰薬は多く厚味で、脾胃虚弱者はまず脾胃を調理すべきである。
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