梨はバラ科の植物で、白梨、砂梨、秋子梨などがあり、全国の大部分の地域で産出される。皮が薄く、果肉が白く、香りが良く、渋みがないものが佳品である。 古来、梨は宗果(そうか)、快果(かいか)、玉乳(ぎょくにゅう)、蜜父(みつち)などと呼ばれていた。梨はその香り、味、形に魅力があるだけでなく、栄養価の高さも評価されている。果肉には豊富な果糖、ブドウ糖およびリンゴ酸などの有機酸が含まれており、またタンパク質、脂質、カルシウム、リン、鉄、β-カロテン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、アスコルビン酸などの多種類のビタミンも含有している。 中医では、梨は性寒、味甘、微酸で、肺経・胃経に入り、生津(じょうしん)、潤燥(じゅんそう)、化痰(かたん)、止咳(しき)、降火(こうか)、清心(せいしん)などの効能を持つとされる。熱病による津液損傷、糖尿病、熱痰咳嗽、便秘などの治療に用いられる。 梨にはグリコシドやタンニンなどの成分が含まれているため、結核にも効果がある。生梨に蜂蜜を加えて煮詰めた「梨膏糖」は、長期にわたる肺熱咳嗽に特に適している。氷糖で梨を煮ることで、痰熱を除き、喘息を治療し、陰を補って肺を潤す効果があり、声帯への保護作用も高い。歌手やラジオアナウンサーは日常的に服用するとよい。 [薬膳方選]1. 痰喘気急:梨をくり抜き、小黒豆を満たし、蓋を閉じて紐で固定し、弱火で煮てからペースト状にし、毎日摂取する。 2. 咳嗽:梨を搾汁して使用する。煎膏としても可。生姜汁と白蜜を加えて服用する。 3. 熱病による口渇:大きな甜水梨1個を薄切りにして、冷たい水に半日浸けてから搾汁し、こまめに飲む。 [禁忌]脾虚便溏および虚寒咳嗽の者は服用を避ける
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