中医养生の諺に「冬の補いは開春に虎を打つ」というものがありますが、もし春の万物蘇生期に適切な補いを行えば、冬の補いと比べてその効果は決して劣りません。これは最近、中国中医研究院広安門病院心身医学科主任医師趙志付氏から得た「春の養生法」です。 春の調補には独自の利点があります。春生・夏長・秋収・冬蔵という理論に基づき、春は自然の気温が上昇し、陽気が徐々に盛んになる時期です。また、「人間は天地と相応しい」という中医の養生理論により、春は人体の陽気も自然に上昇し、外へ発散する傾向になります。この時期に適切な補いを行うことで、一年で最も良い体質投資の時期となるのです。さらに、肺炎、肝炎、流行性脳膜炎、麻疹、流行性耳下腺炎、アレルギー性喘息、心筋梗塞など春に多く見られる病気は、冬の養生不足と関係があるため、この時期に適切な調補を行うことは「補救策」ともなります。 「憂鬱・抑圧」型と「暴躁・易怒」型という性格の全く異なる二種類の人こそ、春の補いの対象となります。趙主任によると、憂鬱・抑圧型は性格内向的な人で、腹満、脾胃不調、情緒抑圧、食欲不振、舌淡苔白などの症状を示すことが多く、中医では「肝気郁結」型に該当します。一方、暴躁・易怒型は性格外向的な人で、肥満、心煩易怒、舌紅苔黄などの症状を示すことが多く、中医では「肝火上炎」型に該当します。これらのタイプに対しては、それぞれ「舒肝理気」法と「柔肝清熱」法を用いた中药湯剤が最適です。それ以外にも、春の食療では、憂鬱・抑圧型の人には香り豊かな茴香、大根、柑橘類などを選んで摂取し、黄芪10g、生姜3片、大棗5個を煎じてお茶代わりに飲むのがよいでしょう。暴躁・易怒型の人には苦味・酸味のある苦瓜や山楂などを選び、菊花10g、決明子10g、甘草3gを煎じてお茶代わりに飲むのが適しています。 中医の養生法には「春は肝に対応して養生し、夏は心に対応して養長し、長夏は脾に対応して養化し、秋は肺に対応して養収し、冬は腎に対応して養蔵する」とあります。したがって、春の補いは「肝を補う」ことに重点を置くべきです。春の肝養生の第一のポイントは情志の調整、すなわち気持ちを穏やかに保ち、怒らないことです。また、春の薬膳調理は「平補」を原則とすべきであり、一味に温熱補品を使うべきではなく、春の気温上昇により体内熱が増し、正気を傷める恐れがあるためです。
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