1、乳がんの前段階病変:正常細胞が一気に癌細胞に変わるということは明らかに不可能であり、量的変化から質的変化へと徐々に進行する過程がある。研究により、癌変過程は増殖過程であることが分かっている。細胞数の増加のみで形態に変化がない場合を単純性増殖と呼び、細胞数の増加に加えて形態構造にも異常が見られる場合は不整型増殖と呼ばれる。不整型増殖の中でも中程度のものに癌変の傾向がある。不整型増殖が進行し、細胞の形態構造に著しい異常が生じ、癌に近い状態になると、これは癌前病変となる。癌前病変には3つの発展方向がある。一つは徐々に悪化して癌になること。二つ目は積極的かつ有効な治療によって病変が軽減すること。三つ目はこの段階で停滞し、死ぬまで癌前病変のままということもある。癌前病変が癌に発展するまでには相当長い期間が必要であるため、これが癌のリスクを除去できるチャンスを与えるのである。 2、乳がんの原因として以下のいくつかが挙げられる。(1)乳がんの真正な病因はまだ不明であるが、内分泌、遺伝、ウイルス、免疫、環境などの要因と関連していることは確かである。また、乳がんの発症と密接に関係する要因(感受性因子)も確認されている。具体的には、乳がんの家族歴がある場合、特に親の母親や同胞姉妹が乳がんの場合、乳がんの発症年齢が閉経前である場合、両側性乳がんである場合など、遺伝的感受性が顕著に高まる。一方の乳房に乳がんがある場合、他方の乳房は一般の人よりも乳がんになりやすい。病理診断で小葉原位癌や多灶性癌とされた場合、他方の乳房にも乳がんが発生しやすい。嚢胞性乳腺症の既往があり、特に病理検査で乳管内に活発な乳頭状瘤が確認された場合も乳がんになりやすい。正常者より2~3倍高い確率である。初潮が早すぎる(12歳未満)、閉経が遅すぎる(55歳以上)、月経期間が35年以上続く場合。高齢未婚、出産経験なし、または初産が35歳以降の場合。結婚後出産経験なし、出産後に授乳していない場合。気胸や複数回の胸部X線透視またはレントゲン検査の既往がある場合。機能性子宮出血または子宮体腺癌の既往がある場合。肥満患者、特に閉経後の著しい肥満または甲状腺機能低下を伴う場合。免疫機能が低下している場合。上記のような要因を持つ人は、乳がんの発症にさらに注意を払う必要がある。(2)報告によると、頻繁に人工流産を行う女性は乳がんのリスクが高い。人工流産により妊娠が突然中止されると、卵巣機能に打撃が与えられ、ホルモン値が急激に低下し、乳腺の成長が停止し、腺胞が萎縮する。このような急激な変動は生理的な状態とは逆であり、卵巣機能障害の他に、乳腺の滞留を引き起こし、腫瘤を形成し、さまざまな乳腺疾患を引き起こす可能性があり、結果的に乳がんのリスクが高まる。したがって、繰り返し人工流産を行うことは健康に有害であり、乳がんの発症とも関係しているため、避妊を積極的に行い、繰り返し人工流産を避けるべきである。(3)乳がんは遺伝するのか、という問題は乳がん家族にとって非常に敏感なテーマである。多くの事例から、乳がんの発症には家族歴の傾向が存在することが証明されている。臨床では、母親が乳がんの場合、娘が乳がんになる確率は一般の女性より2~3倍高く、発症年齢も約10年前倒れることもある。姉妹間での共同発症はさらに顕著であり、母親が乳がんであり、その母親の姉妹も乳がんの場合、その娘が40歳以前に乳がんになる危険性は、乳がん家族歴のない女性に比べて40~50倍高い。祖父母世代に両側性乳がんがあった場合、単側性乳がんの家族に比べて、その子孫の乳がん発症率は3倍高く、一般女性の6~9倍となる。 実際、乳がん自体は遺伝しない。しかし、乳がん家族の発症率が高いのは、人間の遺伝的要因が乳がん発症に間接的に影響を与えるためである。つまり、乳がん患者が遺伝するのはがんそのものではなく、がんを発症する感受性である。この基礎に、環境、食生活、心理状態、内分泌状態などの総合的な要因が加わると、一般人よりもがんの発症しやすくなる。結局、乳がんは直接遺伝しないが、間接的な感受性は存在しており、現在も継続的に調査・研究が進められている。 3.乳がんの予防: 女性による自己乳房検診の推進により、乳房異常の早期発見が可能になる。定期的な乳がん予防健診により、早期発見・早期診断・早期治療が実現でき、早期治療は生存率の向上と再発率の低減に極めて重要な意義を持つ。 乳腺症は良性の細胞増殖病変であるが、その一部は典型的増殖から不整型増殖へと移行し、細胞数だけでなく形態構造にも異常が生じ、最終的には乳がんに発展する可能性があるため、適切な治療と定期的な検査が必要であり、乳がんの漏診を防ぐべきである。 乳房内の腫瘤は多くが良性であるが、悪性の微小腫瘤が良性腫瘤の中に混在している場合もあり、そのため現代の補助検査法を十分に活用して乳がんの早期発見を図るべきである。乳がんは女性の健康を深刻に脅かす疾患であるため、乳房自己検診の普及と乳房健診の実施に加え、社会全体で衛生教育を推進し、がん予防知識を広め、早期乳がんの検出率を高めることが極めて重要である。 <乳がん>
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