処方出典:『温病条辨』 組成:梨汁、荸荠汁、鮮苇根汁、麦冬汁、藕汁(またはサトウキョウ汁)各適量。 製法と用法: 上記各材料を臨時に適量を斟酌し、混ぜ合わせて冷たいまま飲む。 効能:温熱病の余熱が未清で、津液が傷つき口渇する場合。 按語:五汁飲はすべて新鮮な素材から汁を取る。梨は甘酸で涼性。『本草綱目』には「肺を潤し心を涼ませ、痰を消し火を下げる」とある。『本草通玄』には「生のものは六腑の熱を清め、熟したものは五臓の陰を滋養する」とある。味は甘美で水分が多く、津液を生成し口渇を止める効果が広く評価されている。荸荠も甘寒で多汁な食材であり、清熱生津の効果がある。『本草再新』には「心を清め火を下げる、肺を補い肝を涼ませる」とある。苇根(芦根)は甘寒。『本草綱目』には「甘いものは胃を補い、寒いものは火を下げる」とある。中医では肺胃を清浄し、津液を生じて口渇を止める常用薬である。麦冬は甘く微苦微寒で、肺胃の陰を清養する。『本草正義』では「甘い薬の中で最も上等な補益薬」と評している。藕も甘寒で、清熱生津の優れた食材であり、家庭でよく食べる野菜。汁を取るときは肥大で柔らかいものを選ぶのが佳。上記5種類の甘寒な新鮮素材の汁を併用することで、清熱生津・口渇を止める効果が顕著であり、熱病の後期に津液が傷ついて口渇する人に特に適している。生飲なので、汁を取る際には衛生面に十分注意が必要である。
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