胃下垂は中高年者の消化器系の代表的な疾患であり、女性に多い。胃周囲の靭帯の弛緩や胃壁の張力低下が原因となる。中医では、中気不足・気虚下陷によるものとみなす。軽度の胃下垂患者には明らかな症状がないが、重度の場合は体型瘦せ、腹部膨満、悪心、げっぷ、上腹部の不定形疼痛が現れ、食後症状が悪化する。横卧すると快適で、腹部に「ぐるぐる」と水音が聞こえることが多い。一部の患者にはめまい、倦怠感、動悸などが伴う。胃下垂と診断された後は、以下の食療法で調節できる: 一、猪肚黄芪湯 【材料】猪肚1匹、黄芪200グラム、陳皮30グラム。 【作り方】猪肚の脂膜を除き、洗浄。黄芪、陳皮を布袋に包み、猪肚の中に入れ、紐で縛る。水を加え、弱火で煮て猪肚が柔らかくなるまで煮る。調味料を適量加え、熱いうちに猪肚と汁を4回に分けて2日間で食べきる。5匹分を1療程とする。 【効能】黄芪は補気の要薬で、李時珍は「補薬の長」と称した。特に気を補い、陽を挙げ、各種臓器下垂に効果的。陳皮は気を理し、脾を健やかにし、中を和らげ、滞りを解消する。『随息居飲食譜』には「猪肚は胃を補い、気を補う」とある。猪肚黄芪湯は中気を補い、脾胃を強化し、気滞を解消し、痛みを止める。中気不足・脾胃虚弱による胃下垂に効果的である。 二、猪脾枣米粥 【材料】猪脾2具、大棗10個、粳米100グラム。 【作り方】猪脾を洗い、薄切りにし、フライパンで軽く炒る。大棗、粳米を加え、水を加えて粥を煮る。適宜白糖で味を調える。空腹時に食べる。1日1回。15日を1療程とする。 【効能】猪脾は脾胃を強化し、消化を助ける。大棗は胃を和らげ、脾を養い、気を補い、中を安定させる。粳米は胃気を補い、胃津を充てる。これらを一緒に粥にして食べることで、胃下垂による体型瘦せ、腹部膨満、食欲不振、倦怠感に効果的である。 三、蓮子山薬粥 【材料】猪肚1匹、蓮子、山薬各50グラム、糯米100グラム。 【作り方】猪肚の脂膜を除き、洗浄し、細かく刻む。蓮子、山薬を砕き、糯米と一緒に鍋に入れて水を加え、弱火で粥を煮る。1日2回、朝夕に食べきる。隔日1回。10日を1療程とする。 【効能】猪肚は「脾胃補益の要品」とされる。山薬、蓮子、糯米は中気を補い、胃陰を養う。脾胃が補われれば中気は健やかになり、下垂した臓器が戻る。
|