中医の見解では、病気の原因は三大類に分けられる。一是外因、二是内因、三是不内外因。 所謂外因とは、外界(自然界)の特定の病原因子に感受すること。現代でいう寄生虫、細菌、ウイルス、クラミジア、ミコプラズマなどは自然界に存在し、外部から侵入することで病気が発生する。これらの外部の病原因子を中医では「外邪」と呼ぶ(人体に有害なものを「邪」と総称する)。 所謂内因とは、人体内部に生じる特定の病原因子。感情の不良、不適切な食習慣、過度の労働や怠惰などが該当する。これら内因の病原因子を中医では「内邪」と呼ぶ。 所謂不内外因とは、房室の節制の欠如、転倒損傷、創傷、焼傷、火傷、凍傷、虫や獣の咬傷など、病因が明確な病気。 その他、病気の後に発生する新たな病原因子もある。痰飲や瘀血がこれに該当し、これらは新たな病原因子となり、人体に損害を与え、病気を引き起こす。 まずは外因による病気(通称「外感病」)について見てみよう。 外感病の原因は外邪である。中医では外邪を「風、寒、暑、湿、燥、熱(火)」の六種に分け、これを「六淫」と呼ぶ。 自然界には風、寒、暑、湿、燥、火(熱)という正常な気候現象があり、古くは「六気」と呼ばれた。六淫とは、六気の異常な変化を指す。古人は異常な気候変化が人間に病気を引き起こすと考えた(現代科学でも、異なる気候環境下では細菌・ウイルスの繁殖力や致死力が異なることが証明されている)。中医は「風、寒、暑、湿、燥、熱(火)」という名前とその特性を借用し、すべての外部要因が人体に影響を与える病気の原因を概括している。 まず、風邪致病の特徴を見てみよう。どのような状況で病人が風邪を感受したと判断できるか? 風は春の主気であり、自然界の風には突然発生し、上昇し、散開し、来去不定で、物を揺らすなどの特性がある。中医では、これらの特徴を持つ症状の原因を風と結びつける。風邪致病には以下の4つの特徴がある: ・浮越:風は上昇・外越の特性を持つため、陽邪とされ、病位は表・上部にあり、容易に散泄する特徴を持つ。したがって、通常の風邪による頭痛、鼻づまり、咽頭痒み、咳、悪風、発熱、汗出などは、風邪を感受した状態である。初期には「姜棗湯」(生姜大1枚、红枣5枚、水煎、温服)で治療できる。あるいは紫蘇葉10g、荆芥10g、桔梗6g、甘草3gを水煎して温服する。生姜、紫蘇葉、荆芥はいずれも散風作用があるため、風邪初期に悪風、鼻づまり、咽頭痒み、軽い咳などの症状がある場合に効果的である。 ・善行数変:善行とは、風邪が引き起こす病状が、病位が移動し不定な特徴を持つこと。例えば、筋肉・関節の遊走性疼痛、痛みの場所が定まらないリウマチ性関節炎などである。数変とは、風邪が引き起こす病状の変化が多様であること。例えば、蕁麻疹の皮膚のかゆみ、丘疹が時々現れ、時々消え、波打つように変化する。中医では、白花蛇、烏蛇などの蛇肉を用いてこれらの関節・皮膚疾患を治療する。蛇肉には優れた祛風作用があるためである。 ・善動:風邪は動揺する特性を持つため、不随意な動揺、例えば突然の昏睡、眩暈、手の震え、痙攣、角弓反張、顔面筋の痙攣などはすべて風邪によるものとされる。高血圧による脳出血、脳血栓などは、発症が突然で、昏睡・意識消失、口角歪みなどの「動揺」の特徴を示すため、「中風」と呼ばれる。治療時には祛風薬を使用する。 ・常兼邪致病:風邪は単独で人体に侵入することは少なく、他の外邪と同時に致病することが多い。例えば、風と寒、風と湿、風と熱、風と燥など、複合的な致病因子となり、病状は二つの外邪の特徴を併せ持つ。風は外感病の主要な原因であるため、「風為百病之長」という説がある。時には風邪を外邪の代名詞として使うこともある。 上記の特徴に合致する場合は、すべて風邪による病気である。そして、中薬にはそれに応じた散風、祛風、息風などの風を治す薬が存在する。
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