趙某、男、29歳。1999年7月30日、空腹かつ怒りの状態で大量のスイカとインゲン豆を摂取後、胃脘部の膨満痛が耐え難くなり、進行性に悪化し、病院外科の救急外来を受診。胃穿孔の疑いで開腹手術が行われ、腸間膜上動脈症候群による急性胃拡張と診断され、下胃管で胃内容物を吸引し、十二指腸を下方に分離した後に縫合した。退院後2日後に再び膨満痛が発症し、以前と同様の症状となった。病院は胃大部分切除術を勧めたが、患者および家族は手術を拒否し、筆者に会診を依頼した。この急症に対して自信がなかったため、筆者は西医外科医とともに訪問した。 刻診:腹部膨満が著しく、痛みは耐え難く、呻吟を繰り返す。身体は痩せ細り、疲労感が強い。排便は3日間未だなし。小便は正常。舌は赤く、苔は白く粘り気がある。脈は滑らか。西医外科医は再度の手術は不適切と判断し、中药治療が最善と評価した。そこで、病院での対症支持療法に加えて、中药による腸胃の通導を主とする治療を開始。燥湿和胃、益気降逆、辛開苦降の法を採用し、二陳湯と半夏瀉心湯を加味した処方を用いた:半夏15g、陳皮10g、黄連12g、党参12g、枳実20g、炙黄耆50g、升麻6g、白朮12g、雲苓15g、蒼朮12g、川朴15g、竹茹12g、代赭石20g、降香12g、当帰12g、赤芍12g、炙甘草5g、生姜3g。12時間ごとに1剤を水煎し、2回に分けて服用。服用後20時間で排便が可能になり、胃腹部の膨満痛は消失し、腹部は平らになり、粥を食べたいと感じた。舌苔の粘り気もわずかに減った。その後、元の処方を3剤続けて服用したところ、無事退院し、再発はなかった。 按:痰湿阻滞、中焦壅塞、寒熱錯雑のため、二陳湯と半夏瀉心湯を加味し、辛開苦降法を用いた。枳実で胃を和らげ、黄耆で気を補い利水作用を促進。これら2薬は胃の張力回復と胃蠕動促進に効果がある。さらに代赭石、降香で胃気を降下させ、当帰、赤芍で血行を促進した。当初は確実な効果を期待できなかったが、結果は予想以上に良好だった。(王三虎)
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