社会の近代化に伴い、人々の仕事や生活習慣は大きく変化しており、多くの新生「現代病」が増加傾向にある。その一つが頸椎症である。かつて老人性であった頸椎症は、中青年層に広がり、一部の中学生にも首・項の痛みや頭痛・めまいの症状が見られるようになっている。早期に予防・治療を行わない場合、正常な生活・仕事・健康に深刻な影響を与える。重度の場合、脊髄圧迫により麻痺を引き起こすほか、長期にわたる脳血流不足により脳細胞の栄養不足となり、記憶力低下を招き、老年性認知症を誘発する。 頸椎周囲には血管・神経が極めて豊富に存在し、全身の多方面の機能に影響を与えるため、臨床では頭脳、首肩、眼耳鼻喉、内臓器、植物神経機能の乱れなど多様な症状が出現する。そのため、頸椎症は臨床上「頸椎症候群」とも呼ばれ、その中で「頸肩症候群」が最も一般的なタイプである。 頸肩症候群(代表的な頸椎症)とは、肩背の冷え、頸肩の痛み、上肢乃至手指のしびれ・痛み・張りといった症候群を指す。現在、この病に対する有効な治療法は少なく、多くの患者が長期間苦しんでおり、甚だしい場合には睡眠・食事にも支障をきたし、烦躁不安に陥る。 龍華病院浦東分院鍼灸科は、この病に対して包括的な治療法を確立し、非常に満足のいく効果を得ている。まず、中医の弁証論治理論に基づき、本病は「肝腎不足、筋骨の養護不足」が根本原因、「風寒湿が経脈を閉塞し、不通則痛」が標的症状であり、「本虚標実」の状態であると考える。治療の大原則は「正気を補い、邪気を祛する、経絡を疏通する」ことである。さらに経絡弁証に基づき、病症部位の経絡走向の特徴に応じて4型に分類する: 1.頸側面の張り・痛みが肩関節外上部に及び、肘関節外上部(曲池穴付近)に放散し、前腕外上部に至る。これは手陽明経病である。巨骨、肩禺、曲池、手三里などを選穴し、必要に応じて扶突穴を加える。 2.肩関節前内側の痛みが肘関節内側(少海穴付近)に及び、前腕内後縁を経て掌面および小指、無名指のしびれ・痛み・張りを引き起こす。これは手少陰経病である。極泉、青霊、少海、少府などを選穴し、必要に応じて頸臂穴を加える。 3.肩甲岡上斜方筋、岡上筋の痛み、または肩甲骨深部の痛みが、腋後(月需俞・肩貞穴付近)、上腕外後縁、肘後、前腕外後、手背の無名指・小指にしびれ・痛み・張りを引き起こす。これは手太陽経病である。肩井、曲垣、天宗、肩貞、天井、养老、中渚などを選穴する。 4.項部下段(頸6・7)の張り・硬直、背中の上段の冷え、胸椎傍・肩甲骨間の痛み。これは足太陽経病である。大杼、厥陰俞、督俞、附分、膏肓、膈関などを選穴する。 上記4型は単独で発症することもあれば、複数の経絡が同時に罹患することもある。治療はそれぞれの型に応じて選穴し、必要に応じて総合的に選用する。各型の症候には対応する夹脊穴を併用し、当帰、黄耆、威霊仙などの中薬針剤を経穴に注射する。この方法は当帰、黄耆などで気血を補い根本を改善し、経絡に沿って邪気を祛除し、標的を治療する。重度の閉塞や長期間の痛みには、小針刀を追加して瘀血を除去する。診断が正確で、選穴が適切、手法の強弱が適切(頸側部の経穴および小針刀は慎重に扱う)であれば、満足な効果を得られる。経験によると、痛みがひどく夜眠れない者について、1~2回の治療で安眠できるようになる。当然、緩和後の微痛は時間が必要だが、頸部の骨増生の圧迫や軟組織の粘着阻塞を解除するのは一定の時間を要する。 重要なのは、本病を肩関節周囲炎の初期と誤認して治療しても効果がないことである。本病は肩関節周囲炎と似ているが、肩関節周囲炎ではない。理由は、肩関節周囲炎は肩関節周囲の軟組織の粘着が主因で、主な症状は肩関節周囲の痛みと運動制限であるが、本病は関節周囲の粘着や運動制限はなく、頸部の圧迫・閉塞による放散痛である。 最後に患者に注意してほしいのは、頸部衛生と頸筋のケアが極めて重要であり、治療効果に決定的な影響を与える可能性がある。具体的には、首を低く下げたり、長時間同じ位置に頭頸部を置く動作を避ける。定期的に頸部ストレッチを行う。枕は高すぎず、低すぎず、柔らかすぎず、硬すぎず、燕麦枕など適度な硬さで、自分に合わせて形が変わる枕具が推奨される。頸部をしっかり支えることが原則であり、頭部のみを支える枕を使い、頸部が空中に浮くような状態を作らない。これにより頸筋の疲労が増し、本病を悪化させたり誘発したりする。<頸椎症>
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