肩甲肋骨症候群は「肩甲-肋型症候群」とも称される。本病は進行が緩やかで、臨床的には肩甲部の酸痛および放射痛が主な症状である。初期には肩甲部に重苦しさや刺痛があり、負荷をかけると悪化する。病程が長くなると、痛みが増悪し、放射痛が現れる。放射痛は同側頭部の後頭部・頭頂部、あるいは同側上腕後部・手首・手に及ぶ。また、激しい痛みにより同側肩および上肢の活動が制限される。胸部症状としては、同側第4・第5肋間神経走行部に沿った痛みおよび放射痛が生じる。本症候群は中年層に多く、不良姿勢や習慣が原因となることが多い。 推拿治療 一、手法:ロール、圧、揉、拿、掐、抹、搓、擦、熱敷。 二、取穴:肩井、肩外俞、肩貞、肺俞、心俞、辄筋、淵液。 三、操作要領: 1. 患者を座位とし、両手を膝に置く。医師はその後方立位となり、摂法で肩甲骨周囲(広上部、肩甲骨内上角、菱形筋、斜方筋頸端;背阔筋)を包み込み、指揉法を患側の第4・第5肋間部に施す。 2. 患者も座位を維持し、医師は患側に立位となり、一方の手で患側の手首を支え、肩を外転させる。他方の手で上肢部(肩部から前腕中端まで)に揉法を施す。三角筋、上腕二頭筋、前腕筋群を含む。 四、注意事項: 1. 触発点は本病診断において最も重要な徴候であり、重点的な治療部位として扱うべきである。 2. 本病の放射痛部位は単一でもあり、複合でもある。 3. 本病の疼痛程度は患者によって異なり、軽微な痛みから極めて激しい痛みまで幅広い。 4. 患者を俯臥位にして治療することも可能である。 5. 患者に自己機能訓練を促す。
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