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鍼灸療法による勃起不全の治療

【概要】
勃起不全とは、性交時に陰茎が立たない、または立っても堅くならない状態を指す。『内経』では「陰痿」とも呼ばれる。張景丘は「陰痿とは陽が立たないものである」と述べている。さまざまな原因によって宗筋(陰茎)が弛緩することで発症する。主に性神経虚弱症や特定の慢性虚弱疾患に多く見られる。
【病因病機】
(1)命門火衰:情欲を放縱したり、少年期に手淫を誤って行い、腎気を傷つけ、命門火が衰える。あるいは驚愕により腎を傷つけ、過度の思慮が相火を乱し、腎精を消耗し、宗筋が養われず勃起不全となる。『類証治裁』に「内傷すれば立たない。よって陽痿は色欲による精の漏洩、過剰な損耗、または思慮が神を傷つけ、または恐怖が腎を傷つけることによる」とある。
(2)湿熱下注:酒を飲んで厚味を摂取すると脾臓・胃が傷つき、運化が失調し、湿濁が内生し、鬱積して熱を生じ、湿熱が下肢に注がれて宗筋が弛緩し勃起不全を引き起こす。ただし、このタイプの勃起不全は稀であり、張景丘は「火衰の者十中七八、火盛の者は僅かにあり」と述べている。
【弁証治療】
(1)命門火衰
主証:陰茎が立たない、または立っても堅くない。顔色が蒼白で、四肢が冷たい。頭暈・目眩・精神不振。腰脚が弱い。舌は淡く苔は白。脈は沈細。心脾損傷がある場合は、心悸・怯懦・不眠などの症状も現れる。
治療法:任脈・足少陰経の経穴を中心に選穴。鍼は補法を用い、灸法を併用して腎を補い、陽を壮める。
処方:命門・関元・腎俞・太渓
随証配穴:心脾虚損の場合は心俞・神門・三陰交を加える。
方義:命門火衰・腎陽不足による勃起不全に対して、命門・腎俞・太渓で腎を補い、陽を壮める。関元は足三陰経と任脈の交会点であり、補うことで人間の元気を強め、根本を培い、陽を壮める。心俞・神門・三陰交は心脾を補益する。
(2)湿熱下注
主証:陰茎が萎弱して勃起できない。口渇・小便が熱く赤くなる。下肢が重苦しく、苔は黄膩。脈は濡数。
治療法:任脈・足太陰経の経穴を中心に選穴。鍼は瀉法を用い、湿熱を清利する。
処方:中極・三陰交・陰陵泉・足三里。
方義:湿熱下注による勃起不全は、脾が湿に困り、長期にわたって熱を生じるため、三陰交・陰陵泉で脾を健脾し、湿を利水する。中極は下焦の湿熱を清浄する。足三里は脾の働きを助けて湿を利水する。
【その他の療法】
耳針
選穴:外生殖器・睾丸・内分泌
方法:中等度の刺激。10分ごとに捻転し、留針30分。

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