「食積は小児科臨床でよく見られる症状の一つであり、胸闷、腹張り、腹痛、食欲不振などの臨床症状を引き起こす。早期治療がなければ、小児の成長発育に影響を与える。推拿療法による小児食積の治療効果は高く、広く普及すべきである。 病因病理 1、食傷:乳食の摂取が不規則で、餌の与え方が適切でなく、厚味・陳旧食品を過剰に摂取することで、脾胃が傷つき、運化機能が失われ、升降が乱れ、乳食が停滞して消化されなくなる。 2、胃陽虚:胃陽が盛であれば多食しても消化されない。胃陽虚になると、食後はむくみ、食事が滞りやすくなる。生冷食品を摂取すると胃が傷つく。 3、脾陽虚:脾陽虚になると、食事は消化されず、食物が留まり、胃脘部の痞満・腹張りが生じる。 臨床症状 胸脘部の痞満感、嗳気(酸腐臭)、便は臭い、矢気が強い、食欲不振または食欲が著しく低下;一部の小児は食欲不振を呈し、腹痛や泣きわめきなどの症状も現れる。 推拿治療 食積は「証候」として理解すべきであり、原因は多様だが、臨床上では原因が特定できないことが多い。このような原因不明の食積を「原発性食積」と呼ぶ。原因が特定された「食積」を「続発性食積」と呼ぶ。続発性食積の小児のうち、一部は推拿治療が可能であるが、一部は推拿治療を要しない。よって、推拿治療に適しているのは主に原発性食積である。原発性食積に対しても、タイプに応じて異なる手法を採用する。 1、食積夹寒型 治療原則:中を温め、脾を健やかにし、食を消化する。 手法:推法、摩法、掌摩法、揉法。 取穴・部位:脾土穴、腕陰陽穴、三関穴、八勢穴、足三里穴、へその部およびへその周辺の腹部。 操作方法および要求: ①補脾土穴:補脾土穴には2種類の方法がある。一つは指摩法で脾土穴を治療する方法。もう一つは、患者の親指の指間関節を曲げ、親指の桡側縁の遠端から近端へと押す方法。上記2種類の補脾土法のいずれかを選択し、300回行う。 ②分推:患儿の掌を上向きにし、医師が両手の食指・中指・薬指・小指をそれぞれ患儿の手首および手の背面側から支える。両親指を患儿の手首掌面の横紋の中点から、同時に手首の梭側および尺側へ分けて押す。約100回。 ③推三関穴:「食積夹寒」の治療なので、三関穴の推法回数を多くする。約600回。 ④運八勢穴:患儿の掌を上向きにし、医師が一手指の遠端の掌側面を接触面として、八封穴に指摩法を行う。これを「運八封穴」と呼び、約300回。 ⑤分推腹陰陽穴:患儿を仰向けにし、医師が左右の手指(一般に親指、または人差し指・中指)を胸骨下端から肋弓に沿って左右の腋中線まで分けて押す。200回。 ⑥摩揉へその腹:患儿を仰向けにし、医師が一手の掌でへその部およびその周囲に掌摩法を行い、数分間続ける。その後、へその部および腹部に掌揉法または掌根揉法を行う。強い温熱感を感じさせる。 2、食積夹熱型 治療原則:熱を解消し、脾を健やかにし、食を消化する。 手法:推法、指揉法、掌摩法、掌揉法。 取穴・部位:脾土穴、腕陰陽穴、三関穴、六腑穴、四横紋穴、外労宮穴、腹陰陽穴、足三里穴。 操作方法および要求: ①清脾土穴:患儿の掌を上向きにし、医師が指推法で、患儿の親指の近端から遠端へと押す。これを「清脾土」と呼び、300回。 ②補脾土穴:まず「清脾土穴」の方法で治療を行い、次に「補脾土穴」の方法を行う。これを「先清後補」と呼ぶ。食積夹熱時には「先清後補」の方法を常用する。 ③分推腕陰陽穴:約100回。 ④推三関穴:約200回。 ⑤退六腑穴:約600回。食積夹熱の場合、退六腑穴の回数は推三関穴よりも多くする。 ⑥推四横紋穴:四横紋穴は2種類の位置があり、4つの穴の総称である。ここでの位置は、人差し指・中指・薬指・小指の掌指関節の掌側横紋にある。医師が推法で、上記部位を順番に治療し、数分間行う。 ⑦揉外労宮穴:外労宮穴は掌心の労宮穴に対応する。医師が通常、時計回りに数十回指揉法を行う。
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