インフルエンザは流行性感冒の略称であり、インフルエンザウイルスによって引き起こされ、飛沫感染を通じて伝播する急性呼吸器疾患である。潜伏期間は通常1~3日である。発病は急激で、高熱、悪寒、頭痛、倦怠感、筋肉痛などが主な症状であり、この段階では呼吸器症状はそれほど重くない。2~3日後、全身症状は徐々に軽減するが、鼻づまり、鼻水、喉の痛み、乾性咳嗽などの上気道症状が顕著になる。少数の患者には鼻出血、食欲不振、吐き気、便秘または下痢といった軽度の消化器系不快感が伴う。 現在はすでに初春だが、まだ暖かさと寒さが入り混じっているため、インフルエンザの予防に十分注意が必要である。 中医はインフルエンザを「時行感冒」とみなす。一般的に風寒、風熱、暑湿の3種類に分けて治療する。 風寒証 主な症状は、強い悪寒、発汗なし、頭痛、全身の痛み、鼻詰まり、咳、白い薄い痰、舌苔が薄く白く潤い、脈が浮緊(軽く押すだけで脈が感じられ、張った感覚がある)など。 この証には辛温解表法を用いる。代表的な処方は荆防敗毒散: 方薬:荊芥、防風、姜活、独活、柴胡、前胡、川芎、枳殻、茯苓、桔梗各15g、甘草5g 加減:各薬の用量は個人や病状に応じて調整可能。悪寒が強い場合は、麻黄、桂枝を加えて発汗力を強化する。 風熱証 主な症状は、やや強い発熱、少しの悪寒、発汗が少ない、頭部の張り、粘り気のある黄色い痰、黄色い濁った鼻水、舌苔が薄く黄色く、辺縁と先端が赤く、脈が浮数(脈拍が速く、軽く押すだけで脈が感じられる)など。 この証には辛涼解表法を用いる。代表的な処方は銀翹散: 方薬:連翹、銀花15g、桔梗、薄荷、甘草、牛蒡子各6g、竹葉、荊芥、豆豉各10g 加減:喉の痛みがある場合は馬勃、玄参を加え、鼻出血がある場合は荊芥、豆豉を除き、白茅根、側柏炭を加える。咳がある場合は杏仁を加える。 暑湿証 主な症状は、発熱、少汗、全身の痛み、頭重感、眼痛、口中の粘着感、胸の圧迫感、吐き気、小便が短く赤い、舌苔が薄く黄色く脂ぎり、脈が濡数(脈拍が速く、滑らかでない)など。 この証には清暑祛湿解表法を用いる。代表的な処方は香薷飲: 方薬:銀花、連翹、扁豆各9g、香薷、厚朴各6g 加減:熱が強い場合は黄連、青蒿を加え、体が重い場合は豆卷、佩蘭を加えて湿を化して解表する。嘔吐や吐き気がある場合は蒼朮、蔻仁、半夏、陳皮を加える。 上記3種の証に対する処方は、いずれも水煎服用する(手間がかかる場合は、薬局で市販品を購入することも可)。煎じる際は軽く煎じる方がよい。煎じ終えたら温かいうちに服用し、その後風を避け、毛布をかけて発汗するか、熱い粥や米湯を食べて薬力の助けとする。発汗後は特に風を避け、保温することが重要で、再感染を防ぐ。 また、インフルエンザが発生しやすい時期には、特に予防を意識する必要がある。読者の方は季節に応じて以下の処方を選択できる: 冬春の風寒が多くなる時期:貫衆、紫蘇、荊芥各10g、甘草3g。水煎して1回に服用し、3日連続服用。 夏の暑湿が強い時期:香薷、佩蘭各5g、薄荷2gを煮てお茶として飲む。 インフルエンザが広範に流行しているとき:貫衆10g、板藍根12g、生甘草3gを煎じて服用し、1日1回。
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