右帰丸 【出典】『景岳全書』巻五十一。 【組成】大怀熟地250g 山薬120g(炒) 山茱萸90g(微炒) 枸杞子120g(微炒) 鹿角膠120g(炒珠) 菟絲子120g(製) 杜仲120g(生姜湯炒) 当帰90g(便溏者勿用) 肉桂60g(徐々に120gまで増加可) 制附子60g(徐々に150~160gまで増加可) 【用法】上を細末にし、まず熟地を蒸して柔らかく杵き、煉蜜で丸め、弾丸大とする。毎服2~3丸を滾湯で送る。 【功効】腎陽を温補する。 【主治】腎陽不足、命門火衰、神疲気怯、畏寒肢冷、陽痿遺精、不妊、腰膝酸軟、小便自遺、肢節痹痛、全身浮腫;または火が土を生じられないため脾胃虚寒、飲食減少、吐悪膨満、反胃噎膈、脐腹多痛、大便不実、下痢頻作。 【加減】陽衰気虚の場合は人参を適宜加える;陽虚精滑または帯濁便溏の場合は酒炒補骨脂を加える;飧泄・腎泄止まらない場合は五味子・肉豆蔻を加える;脾胃虚寒で飲食減少、消化不良、吐悪吞酸の場合は乾姜を加える;腹痛が止まらない場合は吳茱萸を加える;腰膝酸痛の場合は胡桃肉を加える;陰虚陽痿の場合は巴戟肉・肉苁蓉を加える、または黄狗外腎を加える。 【方論】本方は『金匱要略』の腎気丸から加減変化したものであり、治療対象となる症候は腎陽不足、命門火衰、または火が土を生じない所致である。桂皮・附子以外に、鹿角膠・菟絲子・杜仲を加え、温陽補腎の効果を強化している。また当帰・枸杞子を加え、熟地・山薬・山茱萸と併用して滋陰養血の効果を増す。この滋陰養血薬の配合の意義は、『景岳全書』に「善に陽を補う者は、必ず陰中に陽を求めん」とある通りである。 |