熱秘は飲酒や辛い食事を好む人に多く見られる。主な症状は便が固く、腹部の張りや圧痛、口渇・口臭、小便の短赤、口内炎、発熱・顔面紅潮、舌紅苔黄などである。治療は熱を清め、腸を通すことを目的とし、生大黄6gを水で煎じて服用するか、番瀉葉3~6gを水で煎じて服用する。妊娠中および高齢者、体虚者は注意が必要。中成薬としては牛黄上清丸、黄連上清片、三黄片、龍胆瀉肝軟膠嚢、新清寧片、牛黄解毒片などが用いられる。 気秘は憂愁や過度な思考、情志不暢、または長時間座りっぱなしの人によく見られる。排便意欲はあるが排便できない、腹部の張りや痛み、舌苔薄腻、脈弦などの症状を呈する。薬物療法として槟榔、沈香、木香、枳実を使用し、水煎して服用する。中成薬には六磨湯口服液、木香順気丸などが用いられる。 冷秘は高齢者や長期病患者に多い。主な症状は便が困難に排出され、腹中の冷え痛、四肢の冷え、腰膝の酸痛などである。薬物療法として肉苁蓉、牛膝を水煎して服用する。 虚秘は労倦過度、あるいは病後・産後の人に多く見られる。気虚性便秘では、便意はあるが排便時に努力しても力が入りにくく、努力すると汗が出、息切れする。舌質は淡白で苔は薄く、脈は虚で、神疲気怯、排便後に無力感があるなどの気虚症状も伴う。場合によっては肛門の墜下感、甚だしくは脱肛も現れる。治療は気を補い、脾を健にする。薬物療法として黄芪30g、白蜜10gを水煎して服用する。中成薬には補中益気丸が用いられる。陰血虚性便秘では、便は栗のように硬く、血虚により顔色が萎黄、唇爪舌が淡白、脈細などの症状を呈し、さらに頭暈目眩、心悸、口渇少津、五心煩熱などの陰血虚症状も伴う。治療は養血潤燥を目的とする。薬物療法として当帰、生首烏、鶏血藤、元参を水煎して服用する。中成薬には麻仁潤腸丸、潤腸丸、四物湯口服液、首烏片、六味地黄丸などが用いられる。
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