芍薬甘草湯 【出典】『傷寒論』。 【別名】戊己湯(『症因脈治』巻四)。 【組成】芍薬12g 甘草12g 【用法】上二味を水600mlで煮て300mlに減じ、滓を除き、温めて再服する。 【効能】肝脾を調和し、緊急を緩め痛みを止める。 【主治】傷寒による陰損、筋脈の濡潤失う、腿脚の攣急、心煩、微悪寒、肝脾不和、脘腹疼痛。現在は血虚津傷による腓腸筋痙攣、肋間神経痛、胃痙攣、胃痛、腹痛、坐骨神経痛、婦人科炎性腹痛、生理痛;および十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃肠神経官能症、急性乳腺炎、頸椎症候群など陰血不足、肝脾不調に属するものに用いる。 【方論】本方の主治は津液損傷、陰血不足、筋脈濡潤失う所致の諸症である。本方において芍薬は酸寒で、血を養い陰を収斂し、肝を柔らかくして痛みを止める。甘草は甘温で、脾を健やかにし気を補い、緊急を緩め痛みを止める。二薬相伍して酸甘化陰となり、肝脾を調和し、筋を柔らかくして痛みを止める効果がある。 【実験研究】解痙、鎮痛、抗炎症作用。安徽医学院『急腹症資料』1977:74、本方は異常興奮状態の病変に対して強力な抑制・鎮静作用を有する。芍薬は疼痛中枢および脊髄性反射弓の興奮に対して鎮静作用を示すため、中枢性または末梢性の筋系攣急およびその攣急に起因する痛みを治療できる。芍薬・甘草の成分は鎮静、鎮痛、解熱、抗炎症、平滑筋弛緩作用を有し、二薬併用によりこれらの作用は著しく強化される。 |