持続性植物状態は伝統中医における「失神」「昏不知人」「不省人事」などに該当し、臨床上難治の疾患である。その病理機序は神匿窍閉にあるため、治療原則としてまず覚醒開竅を優先すべきである。中国人民解放軍第一軍医大学南方医院では、頭部経穴と体表経穴を組み合わせた覚醒開竅鍼法を用いて、脳外傷後の持続性植物状態患者の促醒を行ったところ、顕著な効果を得た。覚醒開竅鍼法では30号1.5寸の毫針を使用し、神庭、本神、百会、率谷、腦户、腦空などの経穴に刺入する。特に神庭、本神は前から後へ向かって頭皮を貫き帽状腱膜下0.5~1寸まで刺入し、百会は前から後へ1寸、率谷は水平方向に1.2寸、腦户、腦空は皮下に1寸程度下向きに刺入する。鍼刺手法は緊提慢按の提插瀉法を用い、軽く挿入して強く提起し、提插の幅は約0.5寸とする。針下に内側への吸着感を感じる程度とする。左右の本神、率谷、腦空はそれぞれg-6805電鍼装置に接続し、周波数8~13ヘルツ、連続波、30分間刺激し、留針1時間。留針中に提插瀉法を2回行う。体鍼は人中、風府、内関、神門、労宮、十宣、三陰交、湧泉を選び、30号1寸または1.5寸の毫針を用いる。人中は鼻中隔方向に0.3寸刺入し、雀啄刺法を用い、患者の眼球が潤む程度とする。風府は下顎方向に1寸刺入し、小振幅高頻度の捻転法を1分間行い、留針しない。十宣を順番に点刺し、1回につき1~2部位出血させる。内関は直刺0.5~1寸。神門、労宮は直刺0.3~0.5寸。提插捻転を組み合わせた瀉法を用い、内関、労宮はg-6805電鍼装置に接続し、電鍼パラメータは前述と同様とする。三陰交は直刺1~1.5寸、湧泉は直刺1寸。いずれも提插捻転を組み合わせた瀉法を用い、下肢の痙攣を誘発する程度とする。毎日1回鍼刺を行い、30回を1療程とし、療程間は3~5日休憩する。上記鍼刺法を用いる同時、脳細胞栄養薬のサイチロシン、脳組織注射液、脳ペプチド、脳血管拡張薬のアイビジ、クララリディン、音楽刺激、高圧酸素療法、四肢の受動運動などの対症療法を併用する。この病院では脳外傷後の植物状態患者31例を治療し、植物状態の期間は最短1ヶ月、最長1年であった。その結果、28例が成功裏に促醒され、一部の患者は簡単な作業に就けるようになった。特に従来の総合療法で効果が得られなかった患者に対し、覚醒開竅鍼法を加えることで意識が徐々に回復した。これにより、覚醒開竅鍼法が持続性植物状態の促醒において実際の役割を果たしていることが示された。覚醒開竅鍼法で選ばれた頭部経穴はすべて伝統的に覚醒開竅、神志病治療に用いられる要穴であり、これらの経穴に鍼を刺し、軽く挿入して強く提起する瀉法を用い、脳波α波の周波数と一致する電刺激を行うことで、大脳皮質の抑制状態を解除し、開竅覚醒の効果を発揮する。選ばれた体表経穴は昏迷、昏厥、中風閉証の救急および痴呆、癫狂痫などの神志病の治療に用いられる。これらの経穴に強刺激を与えることで、脳幹網状覚醒系の機能を活性化させ、脳外傷後の持続性植物状態患者の意識回復を促進し、共に覚醒開竅の効果を発揮する。 健康報
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