黒錫丹1 【来源】『太平惠民和剤局方』巻五、桑君方より引用。 【異名】医門黒錫丹(『中薬成方配本』)。 【组成】沈香(薄切り)附子(焼いて皮・脐を除く)胡芦巴(酒で浸し炒る)陽起石(細かく砕き水飛する)茴香(舶上産、炒る)破故紙(酒で浸し炒る)肉豆蔻(小麦粉で包み焼き)金鈴子(蒸して皮・核を除く)木香各30g 肉桂(皮を除く)15g 黒錫(滓を除く)硫黄(透明な者、砂状に結晶化)各60g 【用法】上記の薬材を黒盏または新鉄铫において、通常の方法で黒錫・硫黄の砂を結晶させ、地上に置いて火毒を除く。極めて細かく砕く。残りの薬材はすべて杵で打ち、羅で細末にする。すべてを一度に混ぜ合わせ、朝から暮れまで研磨し、黒光りを帯びるまでとする。酒糊で丸め、梧桐子大とする。陰干し布袋に入れて擦り、光沢を出す。毎服30~40粒を空腹時に生姜・塩湯または棗湯で送る。婦人には艾・酢湯で送る。 【功用】下元を温壮し、浮陽を鎮納する。 【主治】真陽不足、腎が気を納めず、濁陰が上昇し、上盛下虚、痰が胸中に滞り、上気喘促、四肢厥逆、冷汗止まらず、舌は淡く苔は白く、脈は沈微;奔豚、気は小腹から胸へ上昇し、胸胁脘腹の膨満痛、あるいは寒疝腹痛、腸鳴滑泄、あるいは男子の陽痿精冷、女子の血海虚寒、月経不調、白帯清稀、不妊。 【方論】本方において黒錫は浮陽を鎮撃し、逆気を降下させ喘息を平らげる。硫黄は命門を温補し、腎を暖め寒を消す。これらはともに主薬である。附子・肉桂は腎を温め陽を助ける。火を原に帰すことで虚陽が再び腎中に戻る。陽起石・破故紙・胡芦巴は命門を温め、冷気を除き、虚陽を下に納める。これらも臣薬となる。茴香・沈香・肉豆蔻は中を温め気を調え、逆気を降下させ痰を除き、同時に腎を暖める。佐薬となる。しかし、諸薬が温燥しすぎることを恐れるため、苦寒の川楝子を一味加え、諸薬を監制するとともに肝気を疏利する効果を持つ。この配合により、共に元陽を温壮し、浮陽を鎮納する効果を発揮する。 |