蛇床子は別名蛇米、野胡蘿蔔子、野茴香とも呼ばれ、ウチワソウ科蛇床属の植物蛇床の果実である。湿地、河畔、路傍など湿潤な場所に生育し、全国に分布している。夏秋に果実が成熟した際に採集し、乾燥させて備える。現代研究により、本品には蛇床子素(オスターソン1%)、揮発油1.3%が含まれていることが判明。油中の主要成分はレムニン、イソペントル酸ネロールエステルなどである。ホルモン様作用を持ち、トリコモナス、白癬菌、ニューモビウスウイルス、インフルエンザウイルスを抑制し、抽出物には駆虫作用もある。中医では、蛇床子は苦辛で性温、脾・腎経に帰する。風を祛し湿を燥し、殺虫止痒、腎気を補う効能があるため、症状に応じて配合することで以下の諸病に用いることができる。 1.小児の湿疹(皮膚瘡):蛇床子を粉末にして豚脂と混ぜ、患部に塗布。1日1~2回、治癒まで継続。 2.湿疹:蛇床子30g、苦参15g、黄柏18g、蒼朮12gを水煎し、患部に洗浄。1日2回、数日で効果を認める。 3.婦人の陰部のかゆみ:蛇床子45g、明礬6gを水煎し、液を頻繁に洗浄。効果は非常に高い。 4.赤白帯下:蛇床子、秦皮を等量に粉末化し、酢で糊をつくり、弾丸大の錠剤にする。綿で包んで陰部に挿入。1日1回、3日で顕著な効果が現れる。 5.陰嚢の湿潤・かゆみ:蛇床子30g、苦参、黄柏各24g、明礬6gを水煎し、薬液を患部に洗浄。 6.黄水瘡:蛇床子、黄連各9gを水煎し、2回に分けて服用。数剤継続すれば顕著な効果が得られる。 7.帯状疱疹:蛇床子、黄柏、大黄を等量に粉末化し、卵白で調え、患部に塗布。1日1回、換える。 8.子宮冷え:蛇床子、小茴香各15g、艾葉9gを水煎し、2回に分けて服用。長期服用で効果が認められる。 9.女性不妊:蛇床子を粉末化し、1回6g、1日2回服用。経前10日から開始し、月経来潮で中断。月経終了後10日から再開。2~3ヶ月継続。 10.勃起不全:蛇床子、五味子、菟絲子を等量に粉末化し、蜜で丸め、黄豆大とする。1回30丸、1日2回服用。 11.高齢者の夜間頻尿:蛇床子、菟絲子各15g、肉桂、益智仁各9gを水煎して服用。 12.陰毛の冷え:蛇床子、韭菜子各18gを水煎し、2回に分けて朝夕服用。1週間継続すれば効果が現れる。<蛇床子>
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